初体験です…Wワーク希望の採用面接
専門職種の求人を行っていましたが、こちらが「副業先」となるWワーク希望者の採用面接を行いました。
私が人事を担当し、約20年、初めてのケースです。
面接に応募頂いたTさんは、定年退職後にパートで仕事をしているセカンドキャリアの方です。
Tさんは本業(現就業先)のシフトが余り入らない事を理由に、副業先として応募いただいたそうです。
Tさんの面接は通常の行程で進めましたが、後半は雑談的なWワークの話しとなりました。
Tさんも、Wワークは初めての経験となるそうですが、話を良く聞いてみると、Tさんはご主人の健康保険扶養の関係で「年間130万円」以内の所得で働きたいとの希望がありました。
Tさんの本業の給料や勤務時間などを伺い、本業のみの年間所得を試算してみると、本業のみで100万円を超えてしまいました…
これでは、副業先となるこちらでの就労可能な日数は、年間30日(1カ月に2~3日)程度になってしまいます…
この位の日数では、こちらとしても良いお返事は出来ません…
Tさんの職種は、専門職なので、パートとは言え時給単価は高い方です。
Tさんのキャリアや面接の印象など、ぜひ一緒に働きたいと思うのですが、これで採用してしまうと、Tさんの希望する所得を超えてしまい、Tさん自身に不利益が生じることも考えられました。
私はこの事をTさんに伝えました。
Tさんは「私は、そう言った事がよく分からなくて…そうなんですね…」と少し残念そうでした。
Tさんの採否は後日としましたが、採用は難しそうです。
とても良い印象を受けたので本当に残念です…
「働き方改革」で兼業・副業が話題となっていますが、「扶養」の制限についてしっかりと理解し、自身の所得調整を出来る方は少ないと思います。
「働き手は稼ぎたい」「企業は労働力を増やしたい」しかし、そこに立ちはだかる「扶養の壁」、如何ともし難いですね。
採用側としては、扶養家族となっている方の採用後に「所得都合で、シフトに入れない」や「稼ぎすぎて扶養から外れた」等といったトラブルの恐れがあると感じました。
また、採用側(企業)がここまで気を遣う必要があるのかと疑問に思うところもあります、求人内容を見て応募した方自身の責任と感じる部分もあります。
これからWワークという働き方が浸透してくると、総務(人事)はこれまでにない配慮が必要なのだと、今日の面接は、色々と「気付き」があり、ある意味良い面接だったと思います。
副業先として応募頂いたときには、「こちらを本業にしては?」何て聞くのも良いかもしれません(笑)