総務はつらいよ…

非営利法人の総務担当者のブログです。経理や人事、建物管理と幅広い総務の仕事の面白さと遣り甲斐、そして心砕かれる出来事など綴りたいと思います。

特殊詐欺(振込め詐欺)…イタチごっこの攻防戦

今日は、消費者被害に関する会議に出席しました。

 

「振込め詐欺」と命名され14年が経ち、「特殊詐欺」と言われる様になり、「オレオレ詐欺」「架空請求詐欺」「融資保証金詐欺」「還付金等詐欺」と様々な手法に対し、規制や対策が講じられる度、「劇場型」など新たな手口で、善良な資産を騙し取る手口が次々と表れます。

 

出ては引っ込みの繰り返しで、特殊詐欺の根絶は難しいと言われ、私達消費者は「詐欺被害に合わない知識と対応策を身に付ける」ことが求められ、警察機関等の行政機関は「詐欺被害に合わない啓発」に力を入れています。

 

年々、特殊詐欺手口が巧妙化され、高額の被害を受ける方もおり、中には行政機関のホームページと瓜二つなWEBを作成しているものがあると聞きます。

 

こうした詐欺のターゲットは、寂しさや孤独を抱える高齢者が多い現状です。

また、高齢者は「性善説」に基づく社会性を身につけた方が多く、「人を疑う」以前に「人を助ける」想いが強く働き、大切な資産を安易に加害者へ送金するのだと思います。

 

今日出席した会議では、警察等の行政機関や金融機関等の関係者も出席しており、地域で発生した特殊詐欺に関する情報の共有や、被害の予防にそれぞれの機関がどの様な取り組みが必要かなどについて話し合われました。

 

特殊詐欺と言うと、ハガキが送られてきたり、息子を名乗る者から電話がきたりと想定しがちですが、最近の高齢者(概ね70歳以上)の方では、パソコンやスマホを使用し、メールやインターネットショッピングを生活の一部として活用している方が結構います。

 

ある高齢者の事例です…

高齢者Gさん(男性)は、スマホでインターネット(メールやネットサーフィン)を楽しみ、特殊詐欺に関しても、インターネットで得た多くの知識があり「俺は特殊詐欺になんかひっかからないよ!」と自身を持っている方です。

 

ある日を境に、Gさんのスマホに夥しい数のメール着信があり、10分おき位に着信音が鳴る事を不信に思った家族が確認しました。

Gさんんは、数日前にきた「迷惑メール」にご丁寧に「ご連絡ありがとうございます・・・・」と1件返信し、それを機に沢山の迷惑メールが来る様になりました。

その後、Gさんは、全ての迷惑メールに丁寧な返信を繰り返し、時には金融機関やクレジットカード等を含めた、個人情報をも返信していたそうです。

 

Gさんの家族はその状況を何とかしなければと、消費者センターを訪れ、携帯電話会社等の協力し、対応を行ったそうです。

 

ハガキや電話に限らず、メールやインターネットも注意しなければならないという事例でした。

 

高齢者は孤独や寂しさから、他人と連絡を取り合ったり、頼まれたら断れないと自己を犠牲とする思考を持つ方が多いと思います。

また、高齢者に限らず、誰しも欺罔によって正常な判断が損なわれる場合があり、詐欺被害を被った方の多くは「今思えば怪しかった・・・」と思います。

 

人は一度錯誤に陥ると、客観的に自身の現状を受け止める事ができず、また「怪しい」と思っていても、自尊心から自分は騙されていないと言う思考に偏ります。

自身で「騙されている」という事を認め難い以上、身近な他人がそれに気付かせる動機がとても大事です。

 

「こんなハガキが送られてきたのだけど・・・」と相談できる方は被害に合わないと思います。

一人で判断し、物事を進め、誰に・何も相談しない方が被害に合いやすいと思います。

もし、身近な方が、携帯電話が不自然に鳴っていたり、不審な来訪者が来ていたり、想定し難い金額を持ち歩いていた時は、「特殊詐欺」を疑い、声を掛けることが大切です。

 

特殊詐欺はイタチごっこの攻防戦が繰り返されています。

もし、AIが普及し、その活用が認知される事で。郵便局や運送企業で特殊詐欺を疑う郵送物を排除できたり、WEB上でのやり取りが自動で削除、又は警告出来る様になると、特殊詐欺根絶に役立つのでは…と勝手に考えてしまいます。