総務はつらいよ…

非営利法人の総務担当者のブログです。経理や人事、建物管理と幅広い総務の仕事の面白さと遣り甲斐、そして心砕かれる出来事など綴りたいと思います。

もてる男?はつらいです(苦笑)高齢者の性的思考や好意への対応

私は総務のほか、二つの高齢者施設の管理を担当しています。

この施設の利用者(高齢者施設ではお客様を利用者と言います)Eさん(80代女性)という方がいます。

 

Eさんは、認知機能も年相応と言ったところで、判断能力などありますが、対人関係に上下関係を作り、自身が上となりたい思考が強く、いわゆる「ワガママな利用者」として配慮が必要な方です。

確かにEさんの要望は、とにかく自己本位で、これに対応する職員は、相当なストレスを感じると思います。

 

最近、私はEさんに呼ばれる事が多く、その内容は「他の利用者Fさん(70代女性)と私が、互いに好意を寄せているのでは?」というものです。

 

他の職員は、Eさんは私に好意があり、他の女性と仲良く話している事に嫉妬している…との見方をしています。

私もこんなEさんに対して「Eさんが想うような特別な感情は無く、お客様一人一人として、仕事上必要なコミニケーションをはかっているだけです。」と答えるのですが、Eさんは、その時は理解を示し、納得されるものの、度々同様の訴えをされます。

一度は、Eさんの認知症の発症を疑いましたが、この件以外、そういった状況はあまり見られません。

 

高齢者の「性的思考」と「好意」の視点で考えてみると、これまでの経験上、性別で大きな違いがあると思いました。

(あくまで私の経験則による考えです)

 

異性への好意や性的思考に関し、男性利用者(高齢者)は、女性利用者又は職員に肉体的接触を求める事が多く、セクハラとして問題視される場合があります。

男性は、女性に対し、体に触れたり、肉体関係を迫ったりと「私」と「あなた」の関係間で生じる問題です。

この場合、女性側が不快な想い等をしている時は、セクハラ行為として問題視し、男性利用者若しくは、そのご家族に対し、施設の利用をお断りする事もあります。

 

一方、女性利用者(高齢者)の男性利用者又は職員に対する行為や性的思考は、肉体的接触を求める行為などはほぼ無く、セクハラとして問題視されません。

女性の性的思考は、肉体的な欲求より、独占欲や承認欲求等の精神的な欲求を満たしたいと感じているのではないかと思います。

 

女性利用者特有の異性に対する好意や性的思考に関する困り事は、「私」と「あなた」に留まらず、第三者を巻き込み、嫉妬心からその第三者を排除しようとしたり、変な噂を吹聴したりと、正常な人間関係に影響を及ぼす事です。

 

今回、Eさんが原因で、他の女性利用者や職員と通常のコミニケーションを図る事が阻害されてはいけないので、細く長く、Eさんの精神状態に合わせた個別の対応を続けていく事しか出来ないと思います。

 

「男は男らしく」「女は女らしく」が正しい時代を過ごして来た方々です。

そして、家族や知人等の多くの方の喪失経験のある女性の高齢者は、精神的な繋がりを強く持ちたいという思考が強く表れる様に感じます。

また、違う発想を持つと、セクハラで無い限りは、個別の対応を続ける事で、高齢者の生活の質の向上や、意欲の向上によって、生きがいを持ち余生を過ごすことが出来ると思います。

 

その為の個別の支援や対応をどう行うか、事業としてこれを受け入れる限界値は何処なのか、画一的に決めれる事は出来ません。

性的思考や行動から来る対応は、はとても繊細で慎重な対応が求められるからこそ、職員間で問題点や実情を共有し、施設(組織)として対応策を考え、実行することが大切なのだと思います。